実は、私はイタリア人なんですが(ああそうですか)、そういうこともあって、イタリアの音楽が結構好きなんですよ。
最近は世界的には見る影もなくなったイタリアの音楽ですが、1980年代くらいまでは、それなりに存在感を放っていたんです。
なんてったって、イタリアン。
しかも、当時のイタリアの音楽家はほとんど男。
女の子を見れば1秒以内に口説こうとする人たちが音楽を作るというのですから、それはいいものができる。
イギリス人やドイツ人のような深刻さなどまったくない「空っぽで楽しい音楽」がたくさんありました。
この「モッギ ( Moggi ) 」という人もこのアルバムは本当によくて、私がはじめてシンセサイザーを毎日さわっていた高校時代を思い出します。
私が最初に手にしたシンセは人からもらったものでしたが、ローランドがはじめて一般の人にも購入できる価格でリリースしたシンセでした。しかし、私の持っていたモジュールでは「単音がやや出る」というだけでした。
▲ 1978年当時持っていたシンセと同型の写真。調べると、ローランドの SH-7 というもののようです。名前も知らなかった。
それでも、私は毎日毎日、シンセをいじり続けて、そこでカセットで録音していた音楽は、このモッギという人のものと近いです。
「なーんかポップスを作りたい」
と思っていたんですけど、「自分の中にあるポップスの概念」と「一般の世の中のポップスの概念」が違うということに気づいたのはずっと後でした。
でも、当時は同じように「音に没頭していた人たち」がたくさんいたと思います。
というわけで、イタリアの1973年頃のアルバムより。
元は結構長いので切っています。
Moggi - Gadget (1973)