2011.08.31

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彗星が生命を運んできたという説を後押しする実験(CNN / 2001年04月06日)
http://archives.cnn.com/2001/TECH/space/04/06/comet.life/



生命の種子は彗星に乗って地球にやってきたのかもしれない



カリフォルニア大学バークレイ校のジェニファー・ブランク教授による2001年の実験


地球との激しい衝突を生き残った彗星に乗った宇宙の有機分子が地球に生命の種子を蒔いたのかもしれない。そんな最新の科学レポートが発表された。

調査結果によると、当時地球上にすでに存在した原始スープから生物が生じたという伝統的な意見とは逆に、生命の種子となる化学物質が宇宙空間から来たという理論の証明への期待を高めている。

「今回私たちに示されたこの結果は、有機化合物が宇宙空間から地球にもたらされたかもしれないという、かなり想定外である概念を除外できないことを示している」と、カリフォルニア大学バークレイ校のジェニファー・ブランク教授は言う。

ブランク教授と同僚は、彗星が早い速度でクラッシュした場合に、アミノ酸がその衝撃を乗り切れるかをシミュレートする実験を行った。 研究班は、アミノ酸の混合溶液を含むソーダ缶のサイズの金属器に弾丸を撃ち込んだ。

その結果、アミノ酸は、彗星クラッシュを想定した衝撃を乗り切っただけではなく、多くのアミノ酸が、より長いペプチド鎖や典型的なタンパク質に結合されていったのだ。

このテストデザインは、初期のこの地球でごく普通に起きていたであろう衝撃をまねて設計されたものだ。 約40億年前には、太陽系は彗星で満ちあふれてたいとされている。それらの彗星の中には、秒速25キロメートル以上で惑星に激突していたものもあると科学者は言う。

彗星の中心であると思われている隕石には、70種類以上のアミノ酸が含まれているのがわかっている。そこには生命に必要なすべてのものを含んでいる。 アミノ酸は、恒星間に存在する砂塵の中で発生するのではないかと科学者たちは推測している。

この研究結果は木曜日の国際化学会議の会合で提示された。 ブランク教授は、「宇宙がすでに用意されている生命の種を惑星に蒔いた」という、物議を巻き起こすであろうこの理論をさらに分析する予定だ。

教授たちの研究グループは、次にバクテリアの胞子をクラッシュテストにかける予定だ。何人かの天文学者は、このバクテリアの胞子が彗星を通して地球に到達した後に、地球上で生物として進化していったと主張している。

これは奇異に感じる新論ではあるが、そのイギリス人研究者たちは、今週、有機化合物が、小さなタールのいん石の中に入れられた状態でなら、大気圏突入を乗り切るかもしれない証拠が見つかったと発表している。

彼らは、加熱されたタールの塊は地球の大気にも有機化合物を放出し、そこで放出された有機化合物は空中を漂いながら地表に落ちていくはずだという。大量のこのようないん石が、今でもなお毎年のように地球の大気に雨を降らせ続けていると主張している。

2001年1月に行われた関連実験では、NASAの科学者が恒星間の過酷な宇宙環境をシミュレートし、そのテスト空間で、単純型細胞と同様の有機的構造を作成することに成功している。