2011.08.31

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NASA のバイキング2号の写真再分析で「火星の生命存在が証明された」という米国報道
In Deep 2012年04月14日



NASA のバイキング2号探査機は火星で生命を発見していたことを科学者が発表



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▲ バイキング2号の上陸写真。1976年11月2日。

数学者たちと科学者たちによる国際研究チームは、国際科学機関への論文の発表の最終段階に入っている。

その論文の内容は、「火星の生命」についてのものだ。

具体的には、最新の写真分析データにより、36年前に火星に着陸して火星表面の写真を撮影した NASA のバイキング2号の写真に生命を発見したという分析結果に関するもので、この新しい分析法は、プリントされた写真からデータを復元する方法であり、それには複雑な計算が必要となる。

「火星の生命を証明するためには、NASA は火星に人類を送り込む必要はない」と言うのは、南カリフォルニア大学の医学部教授であり、神経薬理学者である研究チームのジョセフ・ミラー博士だ。

博士はこのように言う。

「火星の生命の最終的な証明には、火星のバクテリアのビデオを撮影することです。つまり、火星に送る必要があるのは人間ではなく、高度なマイクロスコープ(顕微鏡)です。そして、バクテリアが動いている姿をマイクロスコープで撮影するのです」。

「我々の最近までの研究で、火星には 99パーセント以上の確率で生命が存在することが確信できます」。

ミラー博士のこの確信は、1976年に火星に着陸したバイキング2号の探査ロボットが行った生命発見実験の結果を再分析した新しい研究の中で見いだされている。

今回、研究者たちは、バイキングのおこなった標識遊離(Labeled Release)と呼ばれる実験のオリジナルデータを詳しく分析し直した。そして、バイキングによって処理された土のサンプルの中に、微生物の代謝の徴候となるものを探した。

これまでの科学者たちの一般認識は、この標識遊離実験でバイキングが火星で見つけたものは、生物学的な活動ではなく、地質学的な活動だけだったという結論だった。

しかし、今回の新しい研究では、それまでの分析とは異なるアプローチを試みた。バイキングのおこなった標識遊離実験のデータを大量に抽出して、非常に複雑な結果を分析により計算したのである。

生物学的なシステムは、「非」生物的なプロセスより複雑なプロセスとなるので、データを膨大な視点から分析する必要がある。

その中で、研究チームは、火星でのプロセスに、地球での生物学的システムのデータとの密接な類似関係を発見した。これは、生物学的なプロセスに特有なものであるという順序付けができると研究者たちは述べる。

とはいえ、地球での生物学的ブロセスと「非」生物学的プロセスを区別する方法はまだ証明されていないという反論は予測されるわけで、研究チームはまだ結論を出すには至っていない。

研究の結果は今年(2012年)の 8月に示されることになっている。

その結果は、『国際航空宇宙科学学会誌』(International Journal of Aeronautical and Space Sciences. )で発表される。