2010.03.26
元ページ
地球の記録 (2010年03月25日)
http://119110.seesaa.net/article/144560555.html
たまに天候のことを調べたりしていて知る事実は、実は地球の天気に関しては「その多くがよくわかっていない」ということで、何となくわかっていてもよさそうな、「雲はどうしてできるのか」とか「雨はどうして降るのか」といった問題も、発生の根本に行き着くと、よくわかっていないようです。
たとえば、雨や雲に関しては、発生の前提として、氷晶核という小さなコアが中心に必要なのですが、リンクにある Wikipedia をお読みになってもわかる通り、「有り得ると考えられている」とか、「〜であると考えられている」とかの表現となっていて、断定されているものはないのです。
最近、英国カーディフ大学の名誉教授であったフレッド・ホイルという人の著作「生命 (DNA) は宇宙を流れる」というのを読んだりしていて、それによると、どうやら地球にある有機物では氷晶核となりうる物質が少ないのだそうです。まあ、この件については長くなるのでふれないですが、いずれにしても、気候や天気の根本原理はあまり解明されていないということは言えるかも知れません。
そして、個人的にはその理由が「地球の天気の概念を地球単位でだけ考えてきたためではないだろうか」と思うようになっています。
さて、そんな中、いつもコメントを下さる Over60 さんが名古屋大学の太陽地球環境研究所が発行しているニュースレター「 STEL Newsletter 」の 2002年04月に発行されたナンバー28というもののリンクを貼ってくださいました。8年前のものですが、実に素晴らしいものです。
・特集:太陽 - 地球系の気候と天気(PDF)
です。
前回の私の記事で、CMEというコロナの大量放出の現象のことを書いたのですが、この文書の最初のほうには、「宇宙の天気」として、太陽フレアやCMEの詳細な説明があり、また、1986年に北米大陸を襲ったCMEによる影響が子細に書かれています(3ページと4ページ)。これを読めば、私の記事など読む必要はないです。CMEの影響がよくわかります。
そして、その先に個人的に嬉しい内容が書かれてあるのです。
8ページ〜12ページまで、村木綏さんという教授による「太陽活動と気候変動 -あるシナリオ-」という項目があります。ここに非常に興味深い項目が書かれてあります。
すなわち、「地球の天候と宇宙線と太陽活動の関係」が書かれてあるのです。村木綏さんというのはこちらのページによると、宇宙物理や素粒子物理という分野を研究されている方のようで、つまり、これは物理学者の書いた学術書類で、オカルト的な要素はありません。いくつかの検証と測定により、どうやら「宇宙線が地球の雲や霧、雨などの生成に関わっていて、そして、太陽活動(太陽風)はその宇宙線の強弱を左右しているかもしれない」という話です。
いやー、これが知りたかった。
あまりにも興味深いので、メモを兼ねて、抜粋させていただきたいと思います。
今回は気合い入ってますよ(苦笑)。
ただ、いくら抜粋・編集しても長いものは長いので、要点を最初にまとめておきます。
要点自体もまあ長いですが、そこはどうもすみません。番号は読みやすくするためにつけてあるだけで、意味はありません。
というような感じです。
「6. 」に関しては、屋久杉の年輪に含まれる放射性炭素を分析して、宇宙線と関係する放射性炭素が増大していたことを見つけたそうです。
以下が抜粋となります。
余談など省けるところはすべて省いていますので、もともとは味のある文体だったのが、ちょっと無味乾燥な感じの文章になってしまいましたが、わかりやすさを重視しました。また、宇宙用語や気候用語には馴染みのないものも多いと思われますので、こちらでオリジナルにはない Wikipedia などのリンクを加えてあります。
私たちが日々の普通の暮らしの中で、毎日のように「ああ、今日は雨かなあ」とか言っている「天気」というものも、実際には宇宙と太陽の相互関係によって作り出されている部分が強いということは言えそうな感じがします。(控えめに書きましたが、私個人としてはほぼ間違いなく、雲の生成は宙線と太陽活動の影響下にあると思います)
それにしても、図14の「宇宙線と雲の量」の壮観関係のグラフはすごいですね。
これです。
宇宙線の量と地球の雲の量にここまで相関関係があるとは本当に驚きです。
ところで、文中に、「この仮説(太陽活動と雲の生成に相関関係がある)を支持する人たちは、宇宙線が作るイオン対は、雲生成の触媒として作用しているのだと考える。」という下りがありましたが、上記でのフレッド・ホイル教授の「地球の有機物では氷晶核が生成されにくい」という話(だから、宇宙から来た有機物で雨はできているという説)を合わせて見ると、たかが「天気」というのも、完全に宇宙そのものの活動現象の結果であるのかも・・・などとも思い、すごくエキサイティングなことだと思ったりしたのでありました。