2011.08.31

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インドの大学の研究で多種の微生物が雨と共に空から降っていることが判明



バクテリアが降っているから気をつけて



普通に考えれば、この季節の雨での湿り気は悪いことではないだろう。しかし、インドのバンガロール大学環境科学局での研究者たちによる一連の実験によれば、雨からはなるべく離れていたほうが好ましいようだ。

この研究では、大腸菌 ( Escherichia coli ) を含む病原性バクテリアの存在を明らかにした。そして、それは雨に濡れた場合の健康問題を提起している。

研究は1年間続けられ、都市が受けた夏の最初の雨と雹などを含む嵐からサンプルが集められた。研究者たちは、大腸菌を初めとして、連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、エンテロコッカス属(腸球菌属)、アクチノミセス属(グラム陽性桿菌)、枯草菌(真正細菌)、ナイセリア属(グラム陰性真正細菌)、マイコバクテリウム属(グラム陽性細菌)などが分離されたことを明らかにした。

研究者たちは、これらのバクテリアは、免疫が抑制された人々、特に子どもたちの間に、髄膜炎、細菌性肺炎、心内膜炎や壊死性筋膜炎のような病気を引き起こす可能性があるとしている。

調査では、大腸菌、シュードモナス属(グラム陰性桿菌)、フザリウム属(真菌)と似た菌類、そして、アルタナリア属(菌類)は人が呼吸するゾーンである地上1.2〜2メートルの大気中にも棲息することがわかった。呼吸をするゾーンの上空では、生息数は 68パーセント減った。

バクテリアと真菌類での汚染は雨の後、ランダムに減少した。

「これらの菌類の種は伝染病を引き起こす可能性を持っており、また、深刻な毒性作用を持つ。そのため、アレルギーやガンなどを引き起こす可能性がある。研究では、季節の最初に降った雨が、土の表面と他の源(水源など)からのバイオ汚染放出源として強く作用することがわかった。これらは明らかに人類に有害だ」と、研究者のナンジーニ博士は言った。

また、夏の間に多くの塵と粒子状の物質が大気圏にあり、それは成層圏に定着しているという。そのために、最初の雨が降った際、大気圏で増えたすべての微生物が大気中から土にまで達してくる。

しかし、その後、規則的な雨季の雨が始まった際には、空気中の微生物の状態はクリーンになる(最初の雨で多くが地上に降り落ちるため)。

また、バクテリアとは別に、最初の雨が降る時期には地上の菌類がバイオエアゾールとして空気中にもちらされる。これは大変に危険で、呼吸系の疾患を引き起こす可能性があるという。

この調査結果は現在、政府に提出されており、特許権を得ている。

次のステップでは、研究で変形や気温などのデータをとり、記録を完全なものにしたいと研究者たちは言う。