2010.03.26

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朝日新聞 - まるで地球外生命? 酸素なしで生きる多細胞の動物発見 (2010年04月15日)
http://www.asahi.com/science/update/0413/TKY201004130124.html

 

酸素のある地球に「酸素なしで生きられる生物」の存在する意味は何か?


地球にもいた酸素なしで生きる多細胞生物


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ギリシャ・クレタ島に近い地中海の海底の堆積(たいせき)物から、酸素なしで生きる動物が見つかった。一部の細菌など単細胞生物が、酸素なしで生きることは知られているが、多細胞の動物は初めて。イタリアとデンマークの研究チームが英オンライン生物誌BMCバイオロジーに発表した。

チームが調査した堆積物は、塩分濃度が特に高い水がたまったところの下にあり、普通の海水との接触がなく酸素が全く含まれない。だが、この10年間で3回調査した結果、軟らかい体を硬い殻のようなもので包む1ミリ以下の小動物(胴甲動物)3種類が生きていることがわかった。

これらは、堆積物の中で一生を過ごしており、酸素なしでも生活のためにエネルギーを得る機能を進化させているらしい。

英テレグラフ紙(電子版)は今回の発見について「(酸素がない)地球以外の惑星に、生命が存在する可能性を調べるのに役立つかもしれない」との専門家の見方を紹介している。