History of Turntablism and Scratch

ターンテーブリズムとスクラッチの歴史と貢献したDJと音楽家たち


イーストサイドでは

The X-ecutioners



独立系スクラッチ音楽のムーブメントは最初は、アメリカ西海岸を中心に興ったムーブメントですが、イーストサイドでも重要なスクラッチ集団が登場します。The X-ecutioners[ザ・エクスキューショナーズ]です。


左から、 Total Eclips[トータル・エクリプス]、
Rob Swift[ロブ・スウィフト]、Roc Raida[ロック・レイダー]


1997年に「X-pression」という、スクラッチ・アルバムを発表した彼らは、ニューヨークの活動を中心としたDJユニットで、オリジナルメンバーは、Rob Swift[ロブ・スウィフト]、Roc Raida[ロック・レイダー]、Total Eclips[トータル・エクリプス]、Mista Sinista[ミスタ・シニスタ]の4人です。
このスクラッチだけで構成された実験的なアルバムを出した彼らは、すぐに話題と人気を独占し始め、また、そのテクニックの凄さでも、他のDJたちのひとつ上に存在しているという感じもありました。

すぐに、「西海岸のInvisible Skratch Piklz」、「東海岸のThe X-ecutioners」という、スクラッチ界の両巨頭となっていきます。

ニューヨークにおいて、スクラッチ、ターンテーブリズムという文化が広まることにより、このムーブメントはアメリカ全土、そして、全世界へと伝わることになります。


The Bullet Proof Space TravelersとInvisible Skratch Piklzがその後は集団での活動もを続けていないのに対し、The X-ecutionersは、Rob Swiftのソロでの音楽活動、Roc RaidaのDJ活動をサイドに置きながら発展を続け、コンスタントに作品を発表し続けています。

「ラップはビジネスで、Hip Hopは文化だ」と言い切る彼らは、Hip Hopの精神性を常に持ちながら、最近ではロックとの融合に力を入れており、ターンテーブリズムの衰退を退けようと懸命に活動を続けています。

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