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2013年的世界の始動(12): - 25年前に聴いたトム・ウェイツの「セント・クリストファーを吊るせ」を思い出した今日
  2013.03.28



In Deep の震災後の「日本人自らが撮影した 120年前の日本の光景」などの記事でその資料を紹介させてもらったことがあるマンチェスターで古い書物を復刻させているチームのサイトがあります。

1897-j-gal.jpg

▲ 上の記事に載せた写真の1枚。1897年前後の京都の茶屋でくつろぐ女性たち。


そのマンチェスターのサイトで昨日、St. Christopher (聖クリストファー)を描いたという1423年の絵が紹介されていたんですね。

下のものです。

sr-chris.jpg


セント・クリストファーってなんか昔、その名を聞いたなあ・・」と思い出していましたら、大好きな歌のタイトルに出ていたことに気づいたのです。

トム・ウェイツの「Frank's Wild Years (フランクワイルド・イヤー)という 1987年頃のアルバムの最初に入っていた「Hang On St. Christophe」曲です。
下のはロングバージョンですが、この曲です。かっこいいんですよ。特に、リズムとベースラインが。





最近、いろいろな歌の歌詞を訳したりしてここに書いていたりしますけれど、むかしは、歌詞なんてまったく興味がなく、特に英語なんてわかるわけもなかったですし。

それでこの歌も、25年経ってはじめて歌詞を調べてみましたら、ブルースというより、非常にパンクな歌詞であるとを知りました。

出だしは、かなり適当な翻訳ですけど、一番の歌詞はこんな感じ。


Hang On St. Christopher

聖クリストファーを吊しちまえ
油と煙で燃やしちまえ
二輪車に括りつけて
沸騰したラジエーターをかけろ
頭を焼きトウモロコシみたいにしちまえ

85の家と85の丘を通り
助手席に聖クリストファーを吊せ
悪魔がドライブできる夜にするために
犬小屋の犬と一緒に聖クリストファーを吊しちまえ
はげ山が霧の中でオレを鼓舞してくれる

クソアホの腹に穴を開けて
心臓をこんがりと焼いちまえ
ブドウ樽で死ぬほど叩きのめしちまえ
さあ始めようぜ
聖クリストファーを今やっちまおうぜ。後じゃなく
ボロ屋の地下でやっちまおうぜ、イェイ!



訳しているうちに「ああ、パンクだなあ」と嬉しくなって(笑)、歌詞つきの動画を作ったんです。

ところが、何度アップしても、著作権の問題ではじかれてしまうんですよ。

仕方ないので、自分でかなりクレイジーなリミックスしてしまいました。
ボーカルの部分は、同じ歌の別のバージョンのものからです。


Tom Waits - Hang On St. Christopher with Lyrics (英語/日本語)



ちなみに、聖クリストファーというのはキリスト教では殉教者としてエライ人らしいんですけれど、どうして最初の「聖クリストファー」の古い絵画に興味を持ったかというと、真ん中にいる聖クリストファーと思われる人の頭の上に乗っている子どものような人が手に持っているものに興味を持ったんです。

これは「エメラルド・タブレット」という中世のアルケミーのシンボルそのものなんですよ。

下のがエメラルド・タブレットの秘密を表したとされる図柄です。

roze-first.jpg


矢印のあるものと同じものを上の絵の子どもが手に持っているんです。

em-2013.jpg


なので、「キリスト教って錬金術とも関係してくるのかあ」と思ったことが興味を持ったキッカケでした。

ずいぶんと後になって、いろいろなことがつながってくるものですねえ。