私は20世紀のパンク少年だった


地球の幼年期の終わりを歌った「リザード - New Kids In The City」




Lizard - New Kids In The City (1979年)




これはリザードの1979年のメジャーデビューアルバムの「ニュー・キッズ・イン・ザ・シティ」という曲です。
アルバムの最初に納められている曲でもあります。

東京に出て来た1983年頃には、すでに東京ロッカーズは名称としては存在せず、また、中心バンドだったリザードもあまり活発な活動はしていませんでした。しかし、私はこの東京ロッカーズの中の「リザード」というバンドに高校生の時から非常に興味を持っていて、それはテレビの深夜放送で偶然彼らのライブを見たことによります。

今、YouTube を探してもその時の映像は出てこないのですが、記憶だけは鮮明で、エキセントリックなベースの人が体中にグルグルとチューブを巻き付けた姿で演奏していて、「へえ、東京のパンドはカッコイイもんだなあ」(苦笑)と思ったものでした。その時は「TVマジック」という曲を演奏していました。その時の映像ではないですが、別のテレビ番組での「TVマジック」が YouTube にあります。

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▲ 近田春男のマイクの前のベースのワカ。目つきがなかなかです。

そして、1979年頃に彼らのメジャーアルバム「Lizard」が発売されるのです。 プロデューサーがストラングラーズのジャン・ジャック・バーネルということで、当時、ストラングラーズの大ファンだった私はそのこともあり、アルバムを買ったのでした。

しかし、リザードはライブではともかく、音楽性だけでは、当時高校生になったばかりの私にとってはそんなに魅力的ではなかったのですよ。やっばり当時、すでに関西の方からは激しいキチガイパンクスたちの音楽(INUとかウルトラビデとかほぶらきんとか)の噂があり、東京のインテリ系パンクス(後のタコとかギズムとか)の活動の芽生えも雑誌の宝島などで知り、また、海外ではハードコアパンクやインダストリアルの登場などの話も伝わってきていて、そちらが気になっていたということはあります。

そのアルバム「Lizard」はその後ずっと手元になかったのですが、iskspで紹介がされていて、久しぶりに聴きました。 聴いて思ったのは、「歌詞の良さ」ですね。

1979年当時は私はまだ、どちらかというと、ここでいう「子ども」の方に近い年齢だったので、何にも思いませんでしたが、今の時代に聴くと、何とも味わい深い、いい歌だったと気づきます。

歌詞をおこしました。

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New Kids In The City - 歌詞

子どもたちが遊んでいる 裏通りの陽だまりで
きらめく風に吹かれながら
子どもたちが駆けていく

そして未来が呼んでいる

お前の未来が呼んでいる
子どもたちは空を見上げて
来るべき時を待っている

New kids In the city

Good bye old World
Bonsoir

子どもたちが遊んでいる
裏通りの陽だまりで
きらめく風に吹かれながら
子どもたちが駆けていく

新しい子どもたちが生まれ
新しいヴィジョンが生まれる
新しいモラルが作られ
新しい世界が生まれる

New kids In the city

Good bye old World
Bonsoir

古い殻をぶち壊せ
古い世界をぶち壊せ

Change !

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となっていて、とても希望に満ちた歌だったことに気づきました。

特に、

新しいモラルが作られ
新しい世界が生まれる

に関しては、本当にこれからの世の中はこうなってほしいものだと思います。

なお、この歌に関しては、曲を作ったモモヨさん本人の解説「New Kids In The Cityについて」というページがあります。

それによると、

「歌詞は『地球幼年期の終り』という有名なSFをモチーフに作られており、裏町を走り抜ける日常的な子供達の様子をヒラ歌で歌い、彼らに呼びかける(外宇宙あるいは未来からの)訪問者の声、アジテーションを転調部とより大きな展開部(急激にリズムが変化する部分)にあてている。」

ということのようです。

子どもたちに呼びかけているのは、「外宇宙あるいは未来からの訪問者の声」だったのか・・・。深いなあ。


アルバムを視聴できます