Mac OS X TIPS

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かつて夢にまで見たようなOS - Mac OSX をありがとう


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▲ 2011年10月6日のアップルのトップページ。

スティーブ・ジョブスさんの訃報の中で


アップルのスティーブ・ジョブスさんが亡くなったことを知りました。

私は Mac を使いはじめて、今年で多分、18年目くらいになります。
漢字TalK7.1 という時代から使っています。

このサイト「スイッチしました」を書き始めた頃は、ちょうど Windows をメインで使っていた時で、それでそのようなタイトルにしました。

現行の Mac OS は、Mac OSX 10.7 Lion (ライオン)で、これが発売されたのが今年の8月頃ですが、この Lion を使ってすぐに、この OS が「ひとつの頂点」だということに気づきました。

細かい不具合などは別にして、この Lion という OS は、18年前に私などが「夢にまで見たコンピュータ基本ソフト」と言えるものでした。

マウスと視覚の感覚だけで映像制作でも音楽制作でも、あらゆることが「ほぼ何の知識もなく」できる。しかも、それらのソフトは Mac 自体に最初から組み入れられているもので、つまり、ほとんどがフリーソフト。

私はコンピュータ知識はあまりないほうですが、自分の用途でのあらゆる音楽、あらゆる映像、あらゆる画像処理、そして、すべての文章書きとウェブサイト作成を、外部のソフトや有料のソフトをほぼ一切使わずに Mac 付属のソフトだけで行っています。


このサイトでもよく使わせていただく文字などの注釈付きの写真の作成なども Mac OSX のプレビューだけでおこなっています。

この18年くらいの間には、パソコンの基本ソフトだけでもいろいろな種類のものが出ましたが、その中には、たとえば、今でも主流であるマイクロソフト社の Windows があります。私は Windows も Mac と同じくらいの期間使っていましたが、Windows というのが、十数年前にはすでに OS として完成していたという感じがあるのに対して、 Mac OS は「その時代の中を急速に進化してきた」という感じがあります。

逆にいうと、「未完成の状態から始まっている」というような感じでしょうか。

たとえば、極端にいえば、事務や簡単なコンピュータ処理作業なら、今でも Windows95 を使って仕事をすることは決して不可能ではないかもしれないですし、あるいは、 Windows 2000 あたりなら何の問題もなく、現在のパソコンでの作業ができると思われます。

では、18年前の Mac OS (漢字 Talk 7.1)で今、何かできるかというと、実用的なことは、多分ほとんど何もできないのではないでしょうか。

あるいは、最近のパソコンだけを知っている方が、15年くらい前に発売された「漢字Talk 7.5」という Mac OS を使ってみると、その「異常な不安定」に驚かれることかと思います。

今でも当時 Mac を使っていた人たちと話していて、漢字 Talk 7.5 の話が出ると、思い出深い表情になります。

「あー、爆弾、懐かしいなあ」

「サッドマック」(一同、ドッと笑う)


と、おぞましいほど不安定な OS の歴史が思い出されるのです。

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▲ 通称「爆弾」。システムエラーの時に出るもので、普通はこのままの状態でフリーズします。一日に数十回出ることなど 漢字Talk 7.5 では普通のことでした。

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▲ サッドマック(Sad Mac)。Mac が起動不能になった時に画面に出る図柄。ハード的に故障のことが多かったですが、OS 自体の不調でも出ました。私も何度も見ています。

今思い出してみても、あんな OS を商品として世の中に出していたアップル社はどうかしていると思ったものですが、それでも Mac OS には魅力がありました。

たとえば、システムの管理が視覚的にできるようになっていて、機能拡張フォルダやコントロールパネルというようなフォルダの中にファイルを出し入れするだけで、いろいろなカスタマイズができたり(だから、システムも不安定になりやすいのですが)、あるいは、そのファイル管理の方法も、かなり自分で好きなようにに行うことができました。

当時はフロッピー1枚で、「GUI (コマンドラインの操作ではなくアイコンなどがある状態)で起動できた」ということも覚えています。

基本的に、Mac OS というシステムの中には「自由」が存在していたと思います。 その自由が私は好きだったんだと思います。

それでも、その頃の漢字 Talk を現在のパソコン環境に投入することは無理があります。

ちなみに、上の OS の頃は、スティーブ・ジョブスはアップル社にいませんでした。そして、このスティーブ・ジョブスがアップル社に復帰した後で「進化」が再度始まったようです。

その進化の最大のものが Mac OS X の登場です。

OS 自体だけの進化ではなく、音楽制作ソフトである Garage Band (ガレージバンド)、映像制作ソフトである iMovie 、そして、音楽を聴くための iTunes などが Mac OS X と同列で開発されていき、個人的な娯楽のためくらいなら、「何でも」できる OS へと進化していきました。


私などは実はキーボードやタイピングが嫌いで、昔から「寝っ転がって、マウスだけで全部できるような OS があればなあ」と思っていましたが、それもほぼ可能です。

寝っ転がったままで、マウスで曲を一曲作ることも、映像を編集することもまったく可能です。

最新 OS の Lion では、ついに「書類の保存」まで自動に行われるようになってきていて、ソフトによっては、すでに自分で保存さえしなくてよくなっています(自分の好きな過去の書類の状態にまで遡って復帰できる)。

Mac OS X は、几帳面な人にはあまり快くないと感じる部分があるかもしれないですが、私のような理論的な作業が嫌いな人間にとっては、まったく素晴らしいとしか言えないものであり、「右脳だけで操作できるOS」だと感じています。

しかも、Lion なんて OS の価格自体が 2,600円。
安ければいいというものではないのかもしれないですが、やはり安いほうがありがたい。Windows 7 は今でも2万円台で、私はいまだに Windows7を使えない現状を考えると、価格も大切な要素かもしれません。

アップルの歴史の結果として、 Mac OS X - Lion という、まるで夢の中でパソコンを操作しているような OS をこの世に遺してくれたスティーブ・ジョブスさんには本当に感謝しています。

ちなみに、はじめて買った Mac は LC520 というマシンで、本体は12万円だったのですが、メモリが8MBで8万円もする時代でした。 クロックスピードが25MHzで、ハードディスクは、確か250MB。

lc520.jpeg
▲ LC520。

今使っている Mac mini は、搭載メモリが4GB(4,000MB)で、ハードディスクが 500GB (500,000MB)、クロックスピードが 2.5GHz (2,500MHz)。

単純な比較はできないですが、数値だけの比較だと、18年前と今の私の環境は、

・処理速度が 1000倍になって
・搭載メモリが 500倍になって
・HD容量が 2000倍になった


ということになります。

mac-10-7-1.png
▲ 現在使っている Mac mini の構成。

加速度的な世の中の進み方を感じます。

いずれにしても、今回のジョブスさんの訃報を聞き、 Mac との様々な思い出が蘇るのでありました。

2011.10.07



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